「光と風」都市の家づくりなら TERAJIMA ARCHITECTS

お客様の声

キッチンを中心に家族が集い料理を楽しむ家

東京都世田谷区 W様/2009年 お引渡し
ご家族:ご夫婦+お子様3人

全長約3.6m、幅約1m大型システムキッチンは調理台とテーブルを兼ねるもの。リネアタラーラの特注。双子の姉妹は、毎朝スツールに座ってここで朝食をとる。収めた食器洗い機はASKO。北欧製だけに容量が大きく、パワーがあり、家族が多くても便利。コンロは料理好きの奥様の希望で火力が最も強いガスコンロをセレクト。

できるだけ手作りのものを食べさせたい。使い勝手のいい家族の集うキッチンへ

Wさん家族は、ご夫婦と小学生になる双子と2歳の三姉妹の5人住まい。都内の中古住宅で暮らしていましたが、古い物件のデメリットを解消し、子供の成長や家族のライフスタイルに伴った家づくりを考え、新築を決意しました。

まずは土地探しから。以前の家は駅から1分の便利な場所にあったものの、人通りの多い公道に面していて騒々しく、さらに地盤にも問題があり、やや斜めに傾いていたといいます。「物が転がってしまうほど床が傾斜していたんです。日常では笑い話にしていましたが、いざ地震や洪水が起こったらと考えると、地盤のいい土地は条件のひとつとなりました」とWさん。

探し始めてほどなくして現在の土地が見つかり、売り主側に交渉して事前に地盤調査を実施。結果が良好だったため、早速契約をしてローンも開始しました。「土地の形は細長くて設計に工夫が必要そうでしたが、主人の通勤や子供の通学、住まいの環境としても申し分ない場所だったので、先に土地を手に入れてしまったんです。けれど、その時点で建設会社さんをまだ決めかねていて」とWさん夫妻。

土地探しと平行して、ハウスメーカーのモデルハウスを見学したり、インターネットや情報誌などで工法などを勉強していたのは主にご主人。調べるうちにどんどん知識が深くなり、ハウスメーカーで即決という訳にはいかなくなったようです。「以前の家はとにかく寒く、湿気やカビの問題もありました。耐震性なども気になるところ。そこで自分で調べてみたんです。断熱については、施工の仕方によっては柱部分で断熱材が途切れてしまうので、その部分から結露が生じてしまうとか。あるいは断熱材が万が一燃えた場合に、素材によって、どんな有毒ガスが出るかなど、かなり知識がつきました。同時に、ハウスメーカーを見学して工法や構造について尋ねてみたのですが、営業マンの方が知識がないのか、自社の建材や工法ついて、熟知しているとは思えない答えしか返ってきませんでした。こちらの質問を即答できない場合は、一度持ち帰ってから解答してくれることもなく、時には、その場で正確でない情報を伝えられたりしたことが多かったんです」

LDKの横に4.5畳の和室を部屋として設けたが、子供たちの遊び場に。LDKの床より約50cmほど高床にした和室は、腰をかけて休んだり、作業をするのにも楽。

家づくりについて調べることで納得いく建設会社に巡り会う

そんな経験が、次第に一般の工務店やさまざまな工法へ目を向けることになり、さらに調べていくうちに重量木骨の家にたどりついたといいます。「断熱性能や耐震性などを加味していくと、鉄筋構造も候補に挙がりました。でも鉄筋は柱部分の断熱材が薄い場合が多く、寒いし、価格も高くなってしまう。それらを解決する工法はないものか調べるうちに重量木骨の家を知りました。木造なのに鉄筋並の強度があり、外張断熱の仕様や施工もしっかりとしている。そこで重量木骨の家のテラジマアーキテクツさんを訪ねてみたんです。その際に、構法や建材、家づくりに対する考え方などの説明を受けましたが、納得できる内容でした」

自ら逐一調べて、家づくりの知識を蓄積したからこそ、プロの仕事の姿勢も見分けることができたというWさん。重量木骨の家を建てる、ほかの建設会社からも設計プランを提案してもらうなど、慎重に建設会社探しを進めましたが、最終的に、シロアリ対策として有害薬剤を使わないターミメッシュシステムを採用するなど、子供の安全を重視した家づくりをしたいというWさんの要望に応えたテラジマアーキテクツに設計・施工を依頼することに決定。同社が手がける重量木骨の家は、仕様がほぼ長期優良住宅の基準を満たしていたこともあり、窓の仕様を上げただけで、補助金を受けることができたのもメリットでした。細長い土地を生かし、Wさんのさまざまな条件をクリアするプランが提案されたのです。

システムキッチンの背面に設置した収納と奥のパントリー。収納は壁面を目一杯いかし、天井まで棚を設え収納力抜群。作業の邪魔をしないようにした引き戸を閉めればLDKをすっきりと見せられる。パントリーは3畳。食品だけでなく家事に関わる道具なども収めることができ、LDKが物であふれることはない。

キッチンを中心に据えながら。家事効率とプライバシーを確保

「Wさんの家のテーマは、キッチンが主役の家でした。女のお子さんが3人いらして、いまは小さいけれど大きくなるにつれ、お料理や後片付けを手伝うようになるし、みんなで料理を楽しみたいというのがご希望でしたから、とにかくLDKがポイントです。そこで2階はアイランド型のシステムキッチンを特注。約3.6mの長さは調理台とダイニングテーブルを兼用できる大きさ。これは弊社オリジナルキッチンでは一番大きな特注品となりました」(コンサルタント原)

大きなシステムキッチンの横に6人掛けのダイニングテーブル、その横に3人掛けのソファーを置いても、まだ余裕の感じられるLDKは端から端までが約12m。重量木骨の家の特長である、柱や耐力壁で遮ることのない、これだけの大空間を実現しています。2歳のお嬢さんがシステムキッチンの周りを三輪車でグルグルとこぎ回る様子を、安心して眺められるほどの広々とした空間です。

家事を効率的にこなしたい奥様の要望で、システムキッチンを中心にして、向かい側には一面壁面収納を。背面には全面に収納を設置。すぐ隣にパントリー(食品庫)を設けて、もう1台冷蔵庫を置いたり、普段使わない調理器具類などをたっぷり収納できました。その隣に畳敷きの小上がりをつくったのは奥様のアイディア。子供たちの勉強部屋として設けましたが、洗濯物を畳んだり、アイロンがけをしたり、腰をかけて楽に作業ができる高さのある畳部屋は、家事にも便利。「子育てや家事に関わる場所を、キッチン周りをぐるりと囲むように、設計していただいたおかげで作業しやすいです。以前は部屋が寒くて、冬は子供に風邪をひかせたくないのでリビングから台所に来ないようにと言っていたのが、いまはキッチン周りに子供をいさせられて、目が届くからいいですね。お手伝いもしてくれるようになりましたし、これからは、子供たちとお料理やお菓子作りを一緒に楽しみたいです」と奥様。

まさにキッチンを中心にした家というテーマ通りに、その動線に沿って家事スペースが集う2階部分ですが、ランドリーだけは3階へ。「ランドリーと洗面、お風呂がまとめて南側にあるんです。3階に水回りを持ってくることは、これまでの生活習慣から違和感がありました。1階で洗濯をして上の階へ持っていって干すというのが当たり前でしたから。でもランドリーがバルコニーと直結しているので、すぐに洗濯物が干せることがこんなに楽だなんて。陽あたりと風通しのお陰で、以前のような湿気やカビも気になりません」(奥様)

またご主人のお仕事の帰り時間が遅く、帰宅後も仕事をするので独立した部屋を確保したいと希望。「1階はご主人の書斎を、離れのようなスタイルで設計しました。部屋の防音を意識して、部屋の入り口の前に、左右の壁に収納と防音を兼ねた廊下のある小部屋を設置して、プライバシーを確保しています」(原)

この設計が功を奏し、早寝早起きの子供たちとご主人の生活サイクルをしっかりと分けることができ、それぞれが快適に過ごせるようになったといいます。だからこそ、家族が揃って顔を合わせられる休日を大切にしているWさん。調理台を囲んで、今夜の餃子パーティーのためにW家の女子全員で餃子を手作り。その姿を嬉しそうに眺めるご主人。三姉妹が、さらにお料理に興味のわく、お年頃に成長するのを楽しみにしているWさん夫妻です。

夫婦の異なる趣味も合致した和モダンデザインが優美なパブリックスペース

家のデザインは和モダンを基調とした落ち着いた雰囲気。1階に小上がりの座敷の和室と土間風の床を設けたオープンな空間が、訪れる人をお迎えする。琉球畳風のデザインがアジアンテイストも醸す。和が好きなご主人とスパニッシュが好みの奥様との異なる意見も、このデザインは好みが一致したとか。

収納できる引き戸をたてればプライバシー空間に。 奥にはご主人の離れも。

和室には収納できる引き戸を設置。プライバシーも保てる。和室からは玉砂利を敷き詰めた中庭が和みをもたらす。和室の奥はご主人のプライベートルーム。離れのように家屋本体からは隔てた位置に設計し、家族と異なる生活時間をお互いに快適に過ごせるように工夫している。

水回りを最上階の南側に設置することで、暮らしや家事を快適に

3階の南側に設置したバス、ユーティリティー。普通は子供部屋などに当てる位置だが、陽あたりや通風などが最もいい場所に水回りを置く事で、カビや結露の問題も防ぎ、家事効率も格段に上がる。女性の多い家族のために洗面台は2つ設置した。

家族とのライフサイクルの異なるご主人の書斎は離れ仕様

ご主人のプライベートルームはドアの前に、短い廊下を設け、左右に障子戸のある収納を設けた空間を置き、他の部屋としっかりと隔絶されている。深夜に仕事をしてから、ゆっくりやすみたいご主人の希望が叶い、家族が快適に過ごせるようになった。

閑静な住宅街にも違和感なく馴染む和モダンテイストの外観

黒塀を思わせるシックな外観。正面にガレージを設置し玄関を奥に設計することで、車の出し入れがしやすく、子供の飛び出しも防げる。ガレージは奥様の希望で2台分を確保。自転車やエクステリア用品などを収納するのでゆとりをもった。

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