長年海外で生活されていたご夫婦が、帰国を機に空き家となっていたご自宅のリノベーションを決意。かつてお子さまと暮らした家を、これからはご夫婦ふたりの暮らしにふさわしい空間へと刷新したいというご要望から始まったプロジェクトです。
改装は1階部分を中心に実施し、老朽化した設備の一新に加え、間取りを大胆に再構成。既存の和室や廊下を取り払い、広がりのあるリビングと、来客をもてなせるアイランドキッチンを備えた開放的な空間へと生まれ変わりました。
また、回遊性のある動線計画により、家の中を軽やかに行き来できる心地よい住まいに。内装はシンプルでスタイリッシュなテイストに統一し、ご夫婦の新しい暮らしにふさわしい上質な空間を実現しました。
玄関を入ると、正面には上質な質感のイタリア製タイルが迎え、右手には庭の緑が広がります。光と風をより感じられる明るい空間です。
LDKへとつながる建具にはガラスを採用し、視線が抜けることで空間全体がひと続きに感じられる、開放的な玄関へと生まれ変わりました。
かつて廊下だった部分を取り込み、ひとつながりの開放的なリビングへ。
床はフローリングから大判タイルへと変更し、すっきりとしたラインと質感が際立つスタイリッシュな空間に生まれ変わりました。
素材の統一感と広がりのあるレイアウトによって、ご夫婦がゆったりと過ごせる上質なリビングとなっています。
既存の柱を生かして、飾り棚を作りました。
オープンキッチンと向かい合うダイニングは、3面の窓に囲まれた明るく開放的な空間。
外の光や景色を感じながら、食事や団らんを楽しめる心地よい場所です。
空間の一角には造作のテレビボードを設け、その背面を壁面収納として活用。
見た目の美しさと収納力を両立し、すっきりとした印象のダイニングに仕上げました。
採用したのは、洗練されたデザインと機能性を兼ね備えた KitchenHouse(キッチンハウス) のキッチン。
以前は半個室だったキッチンを90度回転させ、リビング・ダイニングと一体となるオープンな空間へと生まれ変わりました。
天井を一段下げて間接照明を仕込み、やわらかな光が包み込む上質な雰囲気に。
空間の重心を整えつつ、家族やゲストとの会話が自然に生まれる居心地のよいキッチンとなっています。
もともと和室だった場所を活かし、ご夫婦の書斎を兼ねたロフトを新たに計画。
完全な個室ではなく、リビングとゆるやかにつながる開放的な空間としました。
ロフト上部には“ほりごたつ”のように腰掛けられるスペースを設け、リビング・ダイニングを見渡しながら本を読んだり語らったりできる心地よい居場所に。
ロフト下は収納として有効活用し、デザイン性と機能性を両立させた多層的な空間に仕上げています。
既存の天窓を活かし、自然光が降り注ぐ明るく心地よい空間にリノベーション。
脱衣ランドリー室はやや拡張し、洗面室はコンパクトに調整して、限られたスペースを効率よく再構成しました。
玄関に入って左手に設けたシューズインクローゼットは、家全体の回遊動線をつくる重要な要素。
玄関から直接アクセスでき、そのまま洗面・家事室へとつながる設計とすることで、外出・帰宅時の動きがスムーズになりました。
正面のLDKとは異なるルートのため、来客動線と家族動線を分け、暮らしやすさを高めています。
内部は、ゴルフ用品やキャンプ用品などのアウトドアグッズを収納できるゆとりあるスペースへと拡張。
コートを掛けられるハンガー収納も備え、使い勝手と収納力を兼ね備えた実用的な空間に仕上げました。