2026.6.8
来る7/11(土)に予定しております「建築家とつくる家」邸宅見学会。
今回は東京都目黒区のT様にご協力をいただき、お引渡し前の邸宅を特別にご覧いただけることとなりました。
↓イベントの詳細は以下よりご覧ください
https://www.kenchikuka.co.jp/26720/
本記事では、T様邸の見どころや、テラジマアーキテクツらしい設計のポイントをご紹介したいと思います。
ご来場をご検討中の皆さまは、どうぞご一読ください。
住まいづくりでは、「叶えたいこと」と「敷地条件」や「法規制」との間で、さまざまな調整が必要になります。
今回ご紹介するT様邸は、お施主様の理想をできる限り諦めず、細やかなご要望を一つひとつ形にしていった住まいです。
2軒目の建築となるT様邸。以前のお住まいが手狭になったことをきっかけに、新たな住まいづくりが始まりました。お施主様は住まいに対するご希望を明確にお持ちで、間取りやデザイン、設備に至るまで、具体的で細やかなご要望がありました。
また、ショールームにもご自身で足を運ばれ、素材や設備を丁寧に確認。お施主様の積極的なご参加により、打ち合わせも非常にスムーズに進みました。
T様邸の計画で特徴的だったのは、土地が決まる前の段階からプランニングを行ったことです。
お施主様のご要望のひとつに、車を2台停めたいというものがありました。しかし、希望されるエリアでは間口の広い土地を見つけることが難しく、駐車計画が大きな課題となりました。
そこで、車2台を縦列で駐車することを前提に、建物配置や動線、室内空間の構成を検討。限られた間口の中で駐車スペースを確保しながら、快適な住まいを成立させるためのプランを組み立てていきました。
そのプランは、土地選びの参考にもなりました。
「この敷地なら、理想の暮らしを実現できるか」
という視点で土地を検討できたことが、T様邸の住まいづくりを大きく前進させました。
ファーストプレゼンテーション後には、お施主様からお喜びの声をいただき、計画はさらに具体化していきました。
T様邸の敷地は、南北に長い形状をしています。
こうした敷地では、建物の奥までどのように自然光を届けるかが大きなポイントになります。そこでT様邸では、住まいの中心に中庭を設け、外部からの視線を抑えながら、室内の奥まで光を取り込めるよう計画しました。
中庭は、隣地や道路に大きく開かなくても明るさを確保できる、都市部の住まいに有効な設計手法です。T様邸でも、この中庭を介して各空間に光と抜け感をもたらし、南北に長い敷地特有の閉塞感を和らげています。
また、室内のドアの位置も、視線や空間が抜けるように丁寧に調整。南北に伸びる住まいの中に、自然なつながりと広がりが生まれるよう配慮しています。
1階は暗くなりやすく、納戸や水まわり中心の構成になりがちな条件でもありますが、T様邸では中庭からの採光を活かし、居室として心地よく使える空間を確保。限られた敷地条件の中でも、明るく快適な居住空間を実現しています。
T様邸では、中庭に加えて、吹き抜けも住まい全体の心地よさに大きく寄与しています。
吹き抜けは必ずしもマストの要素ではありませんが、この住まいでは採光と空間の広がりを生み出すうえで効果的に機能しています。中庭から取り込んだ光、吹き抜けから落ちる光、そして階段越しに届く光が重なり、室内に明るさと抜け感をもたらしています。
階段まわりは、上下階をつなぐ動線であると同時に、光を届けるための重要な役割も担っています。縦方向に視線が抜けることで、住まい全体に広がりが生まれ、南北に長い敷地でありながら、奥行きのある明るい空間を感じられる計画となりました。
さらに、空気の流れにも配慮しています。吹き抜けを活用した重力換気により、住まいの中に自然な空気の流れを生み出す計画としています。
光だけでなく、風や空気の動きまで設計に取り込む。
そうした点にも、T様邸ならではの心地よさがあります。
T様邸には、北側にバルコニーを設けています。
北側のバルコニーというと、一般的には日当たりの面で優先度が下がることもあります。しかしT様邸では、高い塀を設けることで外部からの視線を遮り、プライベート感のあるテラスとして楽しめる空間に仕上げました。
外に開きながらも、周囲からの視線はしっかりとコントロールする。
都市部の住まいにおいて、屋外空間を心地よく使うための工夫が詰まっています。
空間構成にはテラジマアーキテクツらしい光と抜け感が表れていますが、インテリアには奥様のご趣味を反映したクラシカルなデザインを取り入れています。
上品で華やかな雰囲気を持つクラシカルな意匠は、この住まいの個性を印象づける大きな要素です。
設計の工夫による機能性と、住まい手の好みを反映したデザイン性。
その両方が重なることで、T様邸はお施主様らしさのある住まいに仕上がりました。
T様邸には、実は屋上も設けられています。
屋上へは、3階のファミリールームに設置した段違い階段から上がることができます。この階段は建築で固定階段としてつくるのではなく、置き家具型の階段として計画しています。
これは、法規制をふまえた工夫でもあります。
建物面積が200㎡を超えると、竪穴区画の関係で階段を個室化する必要が生じ、採光や空間のつながりに影響が出る可能性がありました。
そこで、建物面積を199㎡台に抑えながら、屋上へのアクセスも確保するために、置き家具型の段違い階段を採用。役所にも確認・承認を得たうえで、住まいの快適性と法規制への対応を両立しています。
細かな法的条件を整理しながら、空間の明るさや使い勝手を損なわない方法を探る。
こうした設計の工夫も、T様邸の大きな見どころです。
T様邸は、お施主様の理想を一方的に削ぎ落としていくのではなく、限られた条件の中でどう実現するかを丁寧に検討していった住まいです。
車2台分の駐車スペース。
南北に長い敷地での採光。
プライベート感のある屋外空間。
クラシカルなインテリア。
屋上のある暮らし。
そして、法規制をふまえた面積・階段計画。
一つひとつの要望に対して、設計の工夫で応えていくことで、お施主様にとっての理想の住まいが形になりました。
今回の見学会では、完成した空間の美しさだけでなく、そこに至るまでの設計の工夫にもぜひご注目ください。
ご参加は要事前登録・抽選制です。
詳細は以下ページよりご参照ください。
https://www.kenchikuka.co.jp/26720/
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