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2009.7.17

【コラム】CASBEE

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■CASBEEとは■

「Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency」の頭文字をとった言葉なのですが、日本語に訳すと「建築物総合環境性能評価システム」となります。
住宅をはじめとする建築物が環境に対しどう考慮されているか、つまり環境性能を客観的な観点より評価し格付けするシステムのことです。

省エネや省資源・リサイクル性能といった環境負荷削減の側面はもとより、室内の快適性や景観への配慮といった環境品質・性能の向上といった側面も含めるなど、総合的に判断するのが特徴です。
つまり省エネルギーなどに限定された環境性能よりも、もっと広い意味で評価するためのシステムなのです。
イギリスやカナダ、アメリカなどでは既に導入されており、日本での開発の際に参考にされました。

例えば、音環境や換気性能など住み心地に大きく関わるような要素は大事だとはわかっていてもその度合いを判断しにくいものです。
そこで重宝されるのがこういった評価ツール。
誰がみてもわかりやすい表示がされることで、建築物の価値が一覧できる、という意義があります。
実際にマンションの販売などにおいては、CASBEEによる評価を前面に出して表示し、その価値をアピールすることも見受けられます。
さらに地方自治体によっては高評価のプロジェクトには補助金を出すところまであります。

また企業の視点からも必要なシステムであります。
近年企業の社会的責任(CSR)が強く問われ、建築物の環境に対する負荷を軽減することが求められるようになってきています。
その環境負荷軽減にいかに努めているかを示すにあたって、CASBEEによる評価が指標となりうるのです。

この評価ですが「Sランク(素晴らしい)」「Aランク(大変良い)」「B+ランク(良い)」「Bランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」の5段階で格付けされ、評価A以上がサステナブル住宅として優良とみなされます。
そして実際に評価を行うのが「CASBEE評価員」として(財)建築環境・省エネルギー機構に登録された方々です。
ちなみにこの評価員は試験があり、一級建築士の資格を持つ方しか受験することができないような仕組みになっています。

しかし未だに一般的な知名度が高いとは言いにくいのが、問題です。
これから住宅に必要不可欠な環境への取り組み。
その一つの指標となるCASBEEについて今回は触りだけを簡単にご説明いたしましたが、これからもご紹介していき、皆様に知って頂ければと思います。

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