東京都目黒区N様/2018年お引渡し
家族構成:ご夫妻・お母様
N様邸は1階は店舗、2階以上はフロアで世帯を分けた二世帯住宅、というボリュームのある邸宅。テラジマアーキテクツとはご近所さんでもあります。
計画にあたっては、N様の暮らしに必要な要素をどのように敷地に盛り込むか、が課題でした。また、敷地は駅からまっすぐ伸びる大きな通りに面しており、道路を挟んで公園の美しい桜並木を楽しめる好立地。借景を活かしつつプライバシーの守られた心地よい住まいであること、都心であっても開放的に暮らせることなど、快適性に関しても妥協せず、工夫に工夫を重ねました。その立地を活かした店舗スペースは、収益性を高めるために出来るだけ広い面積を確保し、住まいとの動線分離、プライバシーの確保に留意してプランニングしています。
お引渡しから数ヶ月。「せっかくだから桜の季節にいらしてください!」と声を掛けてくださったN様ご夫婦のもとを訪ねると、お店はお花見に訪れた人たちで賑わい、3階リビングに上がると窓いっぱいに広がる桜の花が出迎えてくれました。春の風が心地よいリビングダイニングにて、家づくりを振り返ってのお話を伺いましたので、ご紹介いたします。
Q. 家づくりのきっかけを教えてください。
きっかけは家族構成の変化です。元は僕の実家で、家族で暮らしていたのですが、父が亡くなり僕が結婚したのを機に、僕ら夫婦と母が一緒に暮らすことになりました。古い実家でしたのでずっと建替を考えてはいたのですが、ちょうど運よく隣地が売りに出されたのでそこを買い取り、3人で暮らすのに適した家を建てることにしたんです。
実はこの場所柄、店舗併用住宅が向いているのではないか、ということは当初から考えていました。ここは駅から近く、公園に遊びに来る人たちの通り道でもありますから。
幼い頃からこの土地で育ってきて、この通りがもっと賑やかになったらいいのに、という思いもありましたので、店舗スペースを備えた家を建てようと決意しました。
妻は、都心の家といえば窓が小さくて窮屈、というイメージを持っていたようなのですが、折角建てるなら光と風がたっぷり入って、気持ちのいい家にしたいという希望を持っていました。それに、これから子どもが生まれて家族が増えるかもしれない。だから、間取りにゆとりを持たせておきたいと考えていました。
そうした経緯から、希望条件は店舗併用住宅+二世帯住宅、かつ明るく開放的で必要な部屋数があること、と定め、希望に沿った家を建ててくれる会社を探すことにしたんです。
Q.テラジマアーキテクツを選んだ理由は?
テラジマアーキテクツは近所ですし、会社の存在は元々知っていたんです。
いざ家を建てることになってインターネットで調べたら、とても口コミの評判が良かったんですね。それに、ウェブサイトに掲載されている施工事例のデザインもシンプルだけど質素すぎず、好みの雰囲気でした。なにより近いので、建てている間はもちろん、住みはじめてからのメンテナンスなども安心だな、と感じたことも大きいですね。
そこで土地を購入したときにお世話になった不動産会社の関連会社とテラジマアーキテクツの2社に絞って、プランを依頼しました。
でも、実はもう一社の方には、必要な部屋数を確保するのは難しいと言われたんです。テラジマアーキテクツはそれでも工夫してくれて、上手くプランに盛り込んでくれました。想像していた以上に高い天井や吹き抜け、大きな窓も希望通り。更に、土地の裏側が崖のようになっているため建物を崖から離すか擁壁を建てる必要があるのですが、崖自体に上手く施工をして擁壁扱いにしてくれたりと、色々と骨を折ってくれまして。他の会社では対応してくれなかったことでも、工夫して提案してくれたことが嬉しくて、テラジマアーキテクツにお任せしようと決めたんです。
Q.設計・施工中のことを教えてください。
2週間に一度の打ち合わせが毎回楽しみでした。自分の好きなものを選び取って作り上げていく過程が楽しかったですね。妻がインスタグラムやピンタレストを活用して気に入ったイメージの家の写真を集めて見せ、それをもとに設計さんが近い素材のサンプルを取り寄せてくれて、その中から選んで形にしていく、という流れでした。
そして打ち合わせの最後に、設計さんが宿題をくれるんです。次回までにこのショールームを見てくるといいですよ、とかね。だから夫婦であちこち出かけたりして、そうしたこともいい思い出になっています。
母が一番施工中に喜んでいたのは、現場がとてもきれいで、丁寧に作業してくれているところ。近所には施工中の現場がたくさんあったのですが、他と比べて職人さんが感じよく、丁寧に仕事してくれていると感じました。
施工が始まってからもコンサルタントの2人にはお世話になりました。原さんには、諸々の申請手続きを全部お任せしていたのですが、全て滞りなく対応してくださり、本当に助かりました。千野さんは、色々な不安のあった母の話をいつも親身になって聞いてくださって、とても嬉しかったと話していました。おかげで安心して家づくりを進めることができて、僕らもとても感謝しています。
いよいよ引渡しを迎えた時には、まず希望通りの外観に感動、家に入ったら明るくてきれいでまた感動して。「好きなものが全部かたちになった」という満足感と達成感がありました。
打ち合わせをたくさん重ねましたし、言い忘れたことがあっても都度メールでやりとりをしたりして、全て希望は伝えていましたから。それに、仕上がりもよかったですしね。
実は一箇所だけ、打ち合わせでお伝えしたことを間違えて施工してしまっていた部分があったのですが、すぐに直してくれました。急かしたわけじゃなかったんですけど、あまりに急いでくれるので申し訳なかったくらいでした(笑)
Q.完成したお住まいはいかがですか?
「3回建てないと満足のいく家はできない」とよく言いますが、1回目にして全く不満なところがないんです!元々想像していた以上の空間に仕上げていただいたと思っています。
例えば、リビングからとてもきれいに桜が見えるところ。これは僕らの希望には含まれていなかったのですが、設計さんから「せっかく敷地目の前に桜の木があるんですから、きれいに見えるようにしましょう」と提案してくれて。
以前の家も同じ場所に建っていたのですが、窓がすりガラスだったりでここまできれいに見えたことがなかったので、うれしいですね。
このリビングは天井が高くて景色もきれいで、本当に心地がいいです。妻はリビングのソファで寛いだり、窓の外を眺めながらヨガやストレッチをする時間が気に入っているようです。
実は桜を眺められるもうひとつの場所として、屋上も作ってもらいましたが、これは本当にいいですよ。夜風に当たりながら軽くお酒を飲んだりすると本当に気持ちがよくて。いつも仲間を呼んで、でも近所迷惑にならないように静かに(笑)楽しんでいます。季節ごとの景色がいいんです。春の桜も、夏の緑も。
ウォークインクローゼットの奥に作ってもらった『隠し部屋』は僕のための空間です。小さな書斎なのですが、クローゼット側から見ると一見普通の壁で、ちょっと押すと扉がスライドして開く仕組みになっています。中には掘りごたつもあって、本棚もあって、篭るのにちょうどいいんです。今は単身赴任中で週末しか自宅にいられないので、まだ荷物はあまり入っていないのですが、今後少しずつカスタマイズをしていきたい場所です。扉のギミックなど、ちょっとしたこだわりを盛り込んでくれたことも気に入っているポイントです。
最初は引越しを不安がっていた母も、今はとても気に入って暮らしているようです。近所にテラジマアーキテクツがあるっていうことも、母にとっては大きな安心につながっているみたいです。
この家は玄関ホールに行き来できる出入り口を設けた、分離型の二世帯住宅にしてもらったのですが、「あ、今家にいるな」っていうのがお互いに感じられるくらいの距離感がお互いにとって過ごしやすくてちょうどいいんですよね。
二世帯住宅でもいろんな形があると思いますが、僕らにとってはこの形がベストだったと思っています。
家づくり当初から計画していた店舗についても、出来る限り面積を確保したくて半地下にしてもらったのですが、おかげさまでたくさんの入居申込みをいただきました。今はスポーツカフェが入っています。スポーツイベントが頻繁に開催されている公園がすぐそばですから、ぴったりな会社さんに出会うことができたなぁと思っています。コーヒーも美味しいし店長さんもいい方なので、ぜひたくさんの方に遊びに来ていただきたいですね。
僕がマンションを選ばなかった理由は、建物を持っていればこうしてお店を作ったり、自由な使い方が出来る、ということが利点だと思うからです。いつか定年退職したら、この店舗スペースを使ってハンバーガーショップを開いてみたいな、なんて夢もあります。
Q. 家を建てて、暮らしに変化はありましたか?
週末、家にいる時間が格段に増えました!
元々僕は単身赴任、妻は都内の単身者用の家に住んでいて、結婚前には妻の家に居ることが多かったのですが、単身者用の家ではなかなか2人で寛ぐことができず、出かけてしまうことが多かったんです。
出かけるのは好きなほうなのですが、今は家が快適でここで過ごす時間が楽しいので、出かける機会がとても少なくなりましたね。
また、友人も集まってくれるようになりました。今日もこれから、子ども含めて10人くらい遊びに来る予定なんです!月に一度くらい大勢で集まる機会が出来て、とても楽しく過ごしています。
Q. これから家を建てる方に、理想の住まいを叶えるためのアドバイスをお願いします。
SNSやブログで家づくりを発信している人はたくさんいます。そういうところで実例をたくさん見て、気に入った実例をたくさんピックアップしておくと、設計さんに理想のイメージを伝えるのにとても役立つと感じました。
素敵なインテリア写真には海外のものも多いので、中には日本では販売されていない製品が使われていたりすることもあるのですが、設計さんに相談すると近いイメージのものを探していただけることもありますし。
画像を集めていくうちに、自分の理想のイメージも固まっていきます。
設計の打ち合わせのときには膨大な数のサンプルの中からひとつを選び取らないといけないのですが、イメージが固まっていないと選ぶのは大変ですし、理想が具体的であればあるほど、選ぶ作業は楽しくなると感じています。
あと、ショールーム巡りも楽しいですよ。大変と思わずに、ぜひ色々なものを見て、一番のお気に入りを選ぶのがいいと思います。
施工管理:川島 孝雄
コンサルタント:原 正一
コンサルタント:千野 宏明
N邸は事務所からもすぐ近くにあり、N様ご家族も、弊社の「工務店」としてのあり方に共感頂けたと感じてます。私共も、お客様と永いお付き合いをしていく中での距離感として、理想の形が実現できたことに感謝しています。(原)