東京都文京区T様/2021年3月竣工
家族構成:ご夫婦・子供2人
ご夫婦ともに長く海外で暮らしていたため、勝手の違いから日本のマンションには不便な点が多かったというT様。今回の家づくりでは、周囲に気を遣わず子育てができること、そして海外生活での動線の再現・馴染みのあった海外製の機器類の採用がご希望でした。
「僕らの要望は、高さや幅といった基本的なところから細かいところまで色々とありましたが、大体は『そんなの誰も気にしてないんじゃない?』と思うようなことだった気がします。僕らの生活スタイルに沿った、ストレスのない家を建てたかったんです。」と言うT様に、家づくりを振り返ってのお話を伺いました。
Q.家づくりのきっかけを教えてください
以前住んでいたマンションでは子供のたてる物音が気になっていたのと、子供が大きくなってもう少しスペースが欲しいと思ったのがきっかけです。あまりご近所さんに迷惑をかけず、自分たちもそういうことを気にせずに過ごせるような場所に住めたら、と考えていました。
タイミングとしては、土地が出てくるのを待っていた、という感じです。エリアはこの辺りが良かったのですが、土地が出て当日に申し込みをしても3番手4番手になってしまうような状況でした。結局探し始めてから土地を購入できるまで、1年くらいはかかりましたね。
Q.注文住宅を選んだ理由は?
二人とも海外での生活が長かったのですが、その際に使っていた設備や機器を入れたいと思っていました。大きいところだと、キッチンのオーブンやディスポーザー、食洗機などです。以前のマンションで使っていた日本製のものがどうしても僕らには合わなくて、使いこなせないことがすごくストレスだったんです。使い慣れている海外の大容量のものを使いたいとなったときに、キッチンを造作でお願いしないと入れられないと気がつきました。レンジフードの高さも、以前のマンションでは一般的な高さでしたが、私の体格に合わずよく頭をぶつけていました。他にも挙げたらキリがないくらい、色々なところでちょっとしたストレスを感じていました。ひとつひとつはすごく小さなことですし、ずっと日本に住んでいたら多分それに慣れていたのでしょうけど、本当に少しの違いが積み重なっているような状態でしたね。
この辺りはファミリータイプのマンションが少なくて希望の面積のものは本当にないので、子育てのためとストレスのない暮らしのため、注文住宅を建てることにしました。
2階リビングダイニングは天井高3メートル。SE構法ならではの大空間です。
Q.テラジマアーキテクツを選んだ理由は?
SE構法の工務店さんが色々載っている、重量木骨の家というウェブサイトで見かけたのが一番初めでした。SE構法の耐震性や、広い空間が作れるというところが入口でしたね。
大手ハウスメーカー2社と、SE構法の他の工務店さん1社にも、同じ時期にプランの提案をしていただきました。ここの土地が元々、前の道路と少し高低差があったんです。40センチくらいだったと思いますが、周りの家はその高低差の分だけ、道路から階段を上がって玄関に入るようになっています。テラジマさん以外の3社は周りと同じように階段があって玄関、という提案だったんですが、テラジマさんはもう本当にクリエイティブな提案でした。道路の高さまで地盤を掘り下げて、設計上、半地下みたいになるんです。そうすると掘り下げた分の高さが余分に取れるようになるので、他社の提案と比べて天井高がかなり高くなっていました。図面で見ても、開放感、抜け感みたいなのが全然違うなと思いました。他にも細かいところは色々ありますが、一番はそのクリエイティビティにびっくりしたこと。こんなことができるんだ、と驚きましたね。
ウェブサイト以外には、テラジマさんで建てられた方のブログはかなり読み込みました。良いことも悪いことも本当に細かくしっかり書かれていますし、打合せに行くと実際にブログ通りのやり取り・サイクルがずっと続いていたので、事前に準備も出来ましたしすごく勉強になりましたね。
あとは見学会に行ったときに、オーナーさんが「テラジマさんの回し者じゃないけど、すごく良い。デメリットがもしあるとしたら、すごく細かいところまで何回も打合せをして詰めるので、そういうのが面倒とか、時間がとれないという方は負担になるかもしれない。」とお話されていて。このお二方のアドバイスというか経験談が、特に初めの頃、本当に役に立ちましたね。
Q.家づくり中のことを教えてください
印象に残っているという意味で言えば、初め、工事が結構遅れたんです。基礎をやり直すことになって。よく他社さんの話で、すごいトラブルになったという話を聞いたりしますけど、そのやり直しの時にすごく誠実な対応をしていただいたので、不安はなくなりました。注文住宅は色々と小さいものも含めて全部カスタマイズして作っていくので、何か不具合だったり良くないことが起きたりということは、皆さん大小何かしらあると思うんです。本当に今まで全て誠実に対応していただいているので、僕らは良い工務店さんを選んだね、と妻と話しています。一番やりたくないことって、自分たちの希望を聞いてもらうために変なバトルをするとか、コミュニケーションの問題だと思うんですが、そういったのは全くなくて、それが本当に印象に残っていますね。
設計の提案も良かったです。「こういうものがやりたい」とお願いすると、いつも迅速に対応していただきました。竹沢さんはデザイン性を追求すると同時に、機能性の部分も犠牲にしない提案をしてくれました。使い勝手の話をいつもしていただいて、複数の提案があったときにも非常に選びやすかったです。
工事中は近くに住んでいたので、1~2週間に1回くらいは見に来ていました。いつもきれいにされていて、何か質問をしてもすごく丁寧に対応していただきました。職人さんが時間をかけて、本当に丁寧に作っていただいているのだな、という印象を受けましたね。頻繁に現場を見ていて、こういう風に進んでるのか、というのを見れたのが非常に良かったです。
写真では伝わりにくいですが、一般的な階段よりも勾配が緩やかになっています。手すりには間接照明が仕込まれていて、腰壁~足元を優しく照らします。こちらは海外で見かけたアイデアを取り入れたのだそう。
Q.この邸宅のこだわりポイントを教えてください
テラジマさんの建てたお宅を見ていて僕らは参考にできないなと思ったのが、階段でした。小さい子供がいるので、細い鉄骨だけの手すりはNGです、でもなるべく抜け感がある感じが良いです、と。まったく真逆のお願いをしてしまったのですが、階段全体が暗くならないことと、安全性を考慮してガラスの手すり壁をつけてもらいました。それと、日本に来て戸建ての階段の急さにすごくびっくりしたこともあって、子供たちのためにも階段の幅を広く、一段の高さも低めに、というのもお願いしました。
お風呂場も、海外だとベッドルームのすぐ近く、もしくは中にあるんですね。寝る場所とお風呂が近くて、朝起きてリビングに下りてきたら、もう夜寝るときまで上がらない。そういう動線に慣れきっていたのですが、他社さんの提案はお風呂が1階にあって、2階には大体リビングルームがきて、寝室が3階なんですね。これは僕らにとっては難しい動線でした。結果、お風呂は3階で、ベッドルームに囲まれるような感じでアクセスしやすくしてもらって、朝昼晩、それぞれの時間帯によってゾーンとして動けるようにしていただきました。
ご主人のお気に入り、階段そばの収納。冷凍庫がすっぽりと入っていて、コストコやふるさと納税の返礼品を入れるのに重宝しているのだそう。
Q.新居での暮らしはいかがですか?
竣工した時は、自分たちが思っていたよりもすごく良い出来上がりで、本当にここに住むんだという実感がちょっと湧かなかったです。建築現場に来ていた時は周りがシートに囲まれていてあまり日が入っていなかったですし、意外と広くない…と思っていたんですけど、壁紙や塗装が全部終わったら、すごくきれいで明るくて。特に3階はすごく良かったですね。
引っ越してきて、もう本当に快適です。ストレスフリー。子供たちはスペースがあることが嬉しいみたいです。前のマンションではご近所さんに迷惑をかけていたと思うんですが、リビングを走り回ってジャンプして、本当にのびのびと過ごしています。
私はコロナ禍で在宅勤務になっていたので、1階のひと部屋をオフィスとして使っています。家族はみんな2、3階にいるので、引っ越してからはより仕事に集中できるようになりました。
戸建てを作るとなった時に一番気になっていたのが、周りの家と距離が近いので、どれだけプライバシーを確保して、日当たりも失わないようにするのかということでした。ベランダの向こうはすぐ隣の家があるので、何とかできませんかとご相談して、壁の上にすりガラスを立ててもらいました。日の入り具合も良く、プライバシーもしっかり確保できています。
引き渡しから2年くらい経ちますが、その間に実質1年くらい海外にいて住んでいなかった時期があるので、いまだに整理整頓が終わっていないところがあるんです(笑) 最終的にどういう風に使うかアイデアはあるんですが、まだそれが出来ていないのでこれからちょっとずつ出来たらなと。あとは子供部屋が今2つ繋がっているんですけれど、いずれ間に壁を作って仕切る想定です。子供がもう少し大きくなったら、テラジマさんに間仕切り工事をお願いしようかなと考えています。
Q.これから家づくりをされる方へ、満足のいく家づくりのためのアドバイスを教えてください
アドバイスなんてできる立場じゃないですが…僕らの家づくりの進め方を振り返ってみると、妻は結構リラックスしてダイナミックにやるタイプですが、私は性格的に細かくやりたいと思うタイプですし、オーナーさんのブログにもすごく影響を受けていました。皆さん、設計事務所さんや工務店さんのウェブサイト、個人のブログなんかも含めて色々と情報収集をされると思うんですが、その中で自分がどういうことをやりたいのかを、なるべく早いタイミングでイメージ出来るようになると良いのかなと。家づくりは結構長いので、これが一番良いスタートを切れるのかなと思います。自分はどういうのがしっくりくるのか、なるべく早く気づければ良いのかなと思いますね。
僕ら2人は結構好みのテイストが違うんですが、ピンタレストに妻が好きなものを入れて、僕が思うこの家に合うものを入れて、お互いの歩み寄れる線がどこにあるかを探しました。これは大変でしたね。お互い20個出し合ったら、オーバーラップするのが2、3個しかなかったんです(笑)
僕らは点で見てしまうので、家具なんかでもこれ良い、みたいに選んじゃうんですが、LDK全体で見たときに果たして合うのか?全然ピンと来なくて、最終的には竹沢さんと友常さんに聞いてみようと。お二人にはそういったカウンセラー的な役割もしていただいて、とてもありがたかったです。
竹沢 孝浩
友常 芳隆
浦 茂嗣
快適に過ごされている様子が伺えて大変嬉しく思います。
当初海外メーカーのキッチンを個人輸入するという計画も有りましたが、国内の造作キッチンメーカーで細かいご要望にお応え出来たと思います。
途中トラブルによりお待たせしてしまう形になってしまいましたが、最終的にご満足頂けるお宅が無事お引渡し出来て良かったです。
多様な価値観やご家族皆様のお好みに合わせて何でも実現出来るのが注文住宅の良いところだと思います。