「光と風」都市の家づくりなら TERAJIMA ARCHITECTS

Play
Stop

光と風を取り込む美景の邸宅

都内の閑静でゆとりのある住宅街に位置する邸宅。
植物を愛するお施主様からの最も大きなご要望は、自然を感じられる空間にしたいというものでした。

敷地の高低差を活かして地下に大きなガレージを設け、その上に建物と緑豊かな庭を配置しました。その周囲には壁やルーバーを立て、外からの干渉を防ぐと同時に、建物内部から見える余分な要素を遮り、その景色がより美しいものとなるように細かな配慮を重ねました。内と外、階層ごとの空間が繋がる開放的でのびやかな空間である一方、安心して過ごすことのできる適度な距離感を生み出す工夫を取り込むことで、自然体で過ごせる心地よい空間に仕上がっています。

室内には漆喰や無垢材など、その美しさだけでなく手触りや香りを愉しめる自然素材をふんだんに取り入れました。外の景色と調和する優しい素材感と、洗練された雰囲気を感じさせるモダンな要素をミックスした、現代の感性に響く上質なデザインです。

光と影、緑と土、風と空の色――都心にいながら自然を存分に満喫できる、豊かな邸宅です。

竣工
2021年10月
場所
東京都
敷地面積
347.53㎡(105.12坪)
延床面積
486.41㎡(147.13坪)
基本性能
混構造(木造/耐震構法SE構法+RC造)外張り断熱工法・地下一階・二階建

自然素材が活きたナチュラルモダンの大空間リビングダイニング

中庭に面したL字型リビングダイニングは、55帖もの大空間。高さのある勾配天井は更なる体感的な広がりを感じさせます。天井付近に高窓(ハイサイドライト)を設け、光を採り入れるとともに、下から上へ風の通り道を作りました。
中庭を見下ろす大きな窓からの景色は圧巻です。

キッチン部分を除き、床にはスプーンカットの質感のよいオーク材、壁には漆喰を用いて、視覚・触覚で素材感を楽しめる仕上げとしています。
テレビボードや天井のライン照明、階段ホールに通じるガラスの壁などのモダンな要素が空間全体を引き締め、洗練された印象を醸しています。

家族が集うアイランドキッチン

リネアタラーラのオーダーキッチン。アイランドキッチンは普段の朝食や子どもの勉強場所として使うことを想定し、カウンターを広めに計画。家族が集う「簡易的なダイニング」として仕上げています。

壁側にはコンロや調理のための作業台が確保されています。レンジフードはすっきりと埋め込み、美しく仕上げました。
背面収納の裏には5帖ほどのパントリーがあります。キッチン両面から行き来ができ、作業や整理のしやすい配置となっています。

緑の景色を切り取るダイニング

キッチンを挟んでリビングと対角にあるのが、バルコニーに面したダイニングスペース。
大きな窓からバルコニーの緑を楽しむことができ、窓を開ければリビング側から心地よい風が抜け、葉のさざめく音が聞こえてきます。

一方、中庭側の面には壁を立て、高窓と地窓を作って抜けを作っています。遠くに見える建物などの余分な景色を見えないようにするための配慮です。
開放的なリビングに対して、ややこもり感のあるダイニングスペースは、落ち着いて過ごしたい時にも最適です。

板張りの軒のあるバルコニー

ダイニングと隣接するバルコニー。ダイニングの延長として屋外での食事やお茶を楽しめる場所にするため、軒を2m以上伸ばして木を貼り、心地よく落ち着いた空間に仕上げました。
室内から良く見える位置には花壇があり、室内からも美しい緑を楽しめます。

奥には階段があり、中庭へ直接行き来することができます。

シンボリックな紅葉のある中庭

邸宅の中心にある大きな中庭。
子どもたちの遊び場となることを想定し、二階のバルコニーと階段でつなぐことでよりアクティブに愉しめる空間としました。
ゆったりとした樹形が美しい紅葉は、お施主様と何度も畑に探しに行き、厳選したもの。邸宅のシンボルとしてふさわしい一本を選びました。

建物側には手持ちのDEDONのソファーを設置して、アウトドアリビングに。
隣地側には背の高いルーバーを立て、視線をコントロールしながら通風を確保しています。また、ルーバーの一部には扉があり、手入れの際には室内を通らずに行き来ができるように計画しています。

縦横にのびやかに広がる玄関ホール

吹抜が心地よい玄関ホール。目の前に中庭が広がる、この邸宅の見せ場の一つです。
玄関をはじめとして、いくつかの場所にはアートを飾ることを想定し、スポットライトなどをあらかじめ設けました。美術館のように、玄関から階段を上りリビングへ至る動線に沿って作品を楽しめるように計画しています。
弧を描く框は、玄関から地下のガレージに土足で行き来しやすくするための工夫です。意匠性もあり、玄関の空間全体にインパクトをもたらしています。

見上げると、リビングダイニングとの間を隔てるガラスの壁が見えます。ガラスの壁は光を通し開放性がある一方、家族が寛ぐリビングダイニングと人の出入りのある玄関を緩やかに隔てることで、安心感をもたらします。また、壁を立てることにより、各空間の空調の効率を上げる役割も持ちます。

リネン庫を備えたゆとりのあるバスルーム

水廻りはすべてベージュのタイル張りとし、統一感を持たせました。ホテルライクな間接照明が、落ち着いた雰囲気を演出しています。洗面室と浴室の間にはリネン庫を作り、充分な収納を計画しました。

loading