「光と風」都市の家づくりなら TERAJIMA ARCHITECTS

回遊する中庭の家

建物内に豊かな屋外空間を擁する、回廊型の邸宅。
アウトドアリビング・ダイニングとなる大きなテラスや緑豊かな中庭と室内空間を繋ぎ、広がりと非日常感を愉しめるように計画しました。

寛ぐ空間はゆったりと確保されている一方、家事動線は極力コンパクトにまとめ、暮らしの負担を軽減する工夫を採り入れています。
非日常感のあるリゾート風テラスに調和する内装は、ひとつひとつ妥協のない素材の選定、個性と技術を感じさせる仕上げにより、落ち着いたシックな雰囲気ながらありきたりにならず、上質で特別感のあるデザインに仕上がっています。

オーダーメイドならではの機能性と意匠性、隠れた遊び心が光る住まいです。

竣工
2023年2月
場所
東京都
敷地面積
257.09㎡(77.76坪)
延床面積
345.31㎡(104.45坪)
基本性能
混構造(木造/耐震構法SE構法+RC造)外張り断熱工法

Awards

LIXILメンバーズコンテスト2023「地域特別賞」「空間デザイン賞TOSTEM部門」受賞

リゾートテラスとつながる板張り天井のダイニング・キッチン

天井高3メートル、27.5帖のダイニング・キッチン空間。天井高めいっぱいの高さがある大きな窓から中庭やバルコニーと繋がることで、より伸びやかで広がりのある大空間に感じられます。天井は板張り、床には大判のタイルを使用。テレビ背面壁には石を貼り、有機的な美しさと非日常感のあるデザインに仕上げました。

■Furniture:Arflex(アルフレックス)/Cassina(カッシーナ)

リゾートモダンのオーダーキッチン

リネアタラーラでオーダーした、ボリュームのあるアイランドキッチンとバックセット。空間が広いため、キッチン上部に装飾を兼ねた照明を吊り下げて全体のバランスを取っています。照明とカウンターには、神代木(じんだいぼく)を使用。独特の色、風合いをデザインのアクセントとしました。
面材の塗装は一般的な塗装と異なる、独特のテクスチャーのある仕上げとしています。

なお、バックセットの両端の扉は裏側に隠れたパントリーへの出入り口となっています。家具のように仕上げることで、裏方の気配を感じさせないよう工夫しました。

■Kitchen:Linea Talara(リネアタラーラ)

バルコニーを眺める小上がりのワークスペース

1~2人で並んで使えるワークスペース。少し高さを変えることでダイニングと空間を緩やかに切り分けると同時に、デスクに座ってバルコニーの緑を眺めて楽しむことができるようにしました。
段差の下には壁掛けテレビに接続するゲーム機などを収納するスペースがあります。

バルコニーと繋がる独立したリビング

リビングはダイニングやキッチンと一体の空間として計画することが一般的ですが、この邸宅ではバルコニーとの接続を重視し、リビングは独立した位置に配置されています。ダイニングより少し高い3.15mの天井高に設定し、寛ぎの空間としてより開放感を愉しめるようにしました。
一見シンプルに見える壁は左官仕上げ。下に黒色、上にグレーの二色の左官材を塗り重ね、最後に上の色を削り落として黒色を露出させる、という特殊な仕上げとしています。一色で塗り上げてしまうより立体感や刷毛のあとなどのテクスチャーが明瞭になり、手仕事による上質感、個性の感じられるデザインとなりました。

リビング・ダイニング機能を持つ広々リゾートバルコニー

リビング、ダイニング・キッチンと接続するバルコニーは、52帖の広さがあります。屋根の有無によりゾーニングされており、屋根の下がアウトサイド・ラウンジ、格子の下がアウトサイド・ダイニング、屋根のない場所はフリースペースとしています。アウトサイド・ダイニングの一角にはミニキッチンを設けました。
植栽はリゾート感の強いものを使いたいとのご要望から、彩鮮やかな植物を選びました。

■Furniture:Arflex(アルフレックス)/FLEXFORM(フレックスフォルム)

モールテックスを活かしたラウンドデザインのお手洗い

湾曲した壁が印象的なトイレ。オーナー様から「モールテックス」という左官材を使用したいというご要望を受け、このトイレ空間での使用をご提案しました。クロス(壁紙)と異なり「自由な造形ができる」塗り材ならではの強みを活かせる曲面の壁をデザインし、天井・床以外のすべての面に「モールテックス」を使用しています。

生活感を感じさせない美しいデザインの洗面室

洗面カウンターは横幅を広めにとり、2人が並んで使用できるように計画しました。吸水率が低く傷がつきづらいシーザーストーンを使用したシンプルなデザインです。足元の棚も含めて壁付けとし、浮遊感を演出しました。
洗面カウンターの後ろには大きな収納スペースがあります。6枚の扉のうち内側の4枚は収納扉で、両端の扉はその奥にある家事室への入り口となっています。
家事動線のハブでありながらそれを感じさせない工夫と、生活感のない美しいデザインが魅力の空間です。

家事効率を高める回遊型家事室・クローゼット

洗面室の裏に隠された家事室とクローゼット室。3つの部屋は回遊できる配置となっています。
家事室では洗濯機や乾燥機、スロップシンクのほか、壁付けのアイロン台を設置。クローゼットは着替え、タオルなどの格納を想定しています。衣類関係の家事はすべてこの空間で完結するようにしました。

緑を眺める寛ぎのバスルーム

洗面室に隣接する浴室。洗面室と同じ大判タイルを使って統一感のある空間に仕上げています。
大きな窓は小さなバルコニーに面しており、美しい緑を眺めながらのバスタイムを愉しめます。

中庭を愉しむモダンな和室

一階中庭に面した和室。中庭の景色をより美しく楽しむため、同じサイズのサッシを4枚並べるのではなく、中央部分にサッシ2枚分の大きなはめ殺しの窓を入れました。その他、地窓からも鮮やかな植物の彩を愉しめます。
床の間の壁には大谷石を使用、その他の部分は左官仕上げです。

プライベート時間が完結する主寝室とWIC

ウォークインクローゼットはベッドの両横から入れる回遊式。奥にWICが広がっているため、その空間的広がりを寝室からも感じられるように壁ではなくルーバーを立て、天井が奥まで続いているということが寝室側からわかるようにデザインしています。ベッドルーム部分は10帖、奥のWICは12帖の広々とした空間。パウダールーム、シャワールームを併設し、書斎にも直接アクセスできます。

絵画のような中庭の額縁となる玄関・階段ホール

階段ホールを兼ねた玄関。玄関側から見た時階段が中庭の景色の邪魔をしないよう、できるかぎりすっきりとした横顔の階段や手すりを、と配慮して計画しました。2階と同じ板張りの天井は、緑豊かな景色と優しく調和します。

秘密基地のような防音地下室

42帖の地下室は、この邸宅の中で最も大きな室内空間。ゴルフシミュレーターがあり、映像音響設備を完備しているため映画や音楽を愉しめます。オーナー様がお酒がお好きというお話から、バーキッチン空間も計画しました。ゆくゆくはカラオケやドラムセットなどを設置する可能性もあるということから、防音室としています。

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