「光と風」都市の家づくりなら TERAJIMA ARCHITECTS

お客様の声

ご主人の夢を詰め込んだ家
細部にまで宿る「自分らしさ」

神奈川県横浜市Y様/2023年3月竣工
家族構成:ご夫婦・お子様2人

「いつか自分たちらしい家を建てたい」——そんな想いを胸に、雑誌をめくり理想の住まいを思い描いていたY様。大切にしたのは、洗練されたデザインと心地よい暮らし、そして想いを丁寧に汲み取ってくれるパートナーとの出会いでした。お風呂とキッチンに込めた強いこだわりと、暮らし始めて感じる満足感。細部まで丁寧につくり込まれたその邸宅には、ご家族の想いとストーリーが静かに息づいています。

中庭に大きく開いたL字型のプラン。
「庭は、隣に住む母の家と共有しています。どこに何を植えようか、もうすぐ花が咲きそうだねと、自然に会話が生まれる場になっています。」

きっかけは雑誌「モダンリビング」

Y様ご夫妻は、もともと「いつかは家を建てたい」とお考えでした。明確な時期は決めていなかったものの、理想の住まいを思い描く中で、住宅雑誌を通じた情報収集を続けていらっしゃいました。中でも「モダンリビング」や「カーサブルータス」といったデザイン性の高い雑誌を好み、洗練された住宅事例や素材、設備機器への関心を深めていかれたそうです。
一方で、大手ハウスメーカーの住宅には、当初からあまり関心をお持ちではなかったといいます。「どれも似たような印象で、私たちの好みとは違う」と感じておられ、センスの合う設計者とじっくり対話を重ねながら家をつくりたい、という想いをお持ちでした。

「モダンリビングを読んでいたとき、たまたま目に留まったのがテラジマアーキテクツの住宅でした。デザインがとても洗練されていて、しかも重厚感がある。一度相談してみたい気持ちはありましたが、『モダンリビングに載っているような会社はきっと高くて、相手にもされないだろう』とためらっていたんです。ですが実際に深田さんとお会いしてみたら、とても丁寧に話を聞いてくださって。真摯に向き合ってくれる姿勢が非常に好印象で、この人となら、もしかしたら自分たちでも理想の家が建てられるかもしれない、と思えました。」

春は桜、夏は柳の葉が風に揺れる——そんな景色を楽しめるバスルーム。
「この家を建ててからは、旅行に行っても『やっぱり家のお風呂が一番』と感じるようになりました。」

こだわりの家づくり
出発点は「お風呂とキッチン」

Y様がまず思い描いたのは、「庭を眺めながら入れる大きな浴室」と「美しく機能的なキッチン」でした。暮らしの中で大切にしたい時間を過ごす場所を出発点に、住まいのイメージを膨らませていかれたといいます。

「最初に訪ねた会社で『お風呂を10畳にしたい』と伝えたら、『温泉でもやるんですか?』と笑われてしまいました。でも私にとっては、それが一番大事なポイントでした。『庭を眺めながらお風呂に入りたい。そのためには、どんな配置が良くて、どんな機器が必要だろう?』と、ずっと真剣に考えていたんです。
テラジマアーキテクツでは、その夢をきちんと受け止めてくださって、どうすれば実現できるかを一緒に考えてくれました。機器については具体的な希望があり、最初のご相談時から『浴槽はジャクソン、キッチンはガゲナウを使いたい』とお伝えしていました。毎日気持ちよく過ごせるお風呂に、妻が一番使いやすいと感じられるキッチンになるよう、色々と調べてこだわりました。」

「梁をなくせないかと相談したところ、梁の凹凸を活かして間接照明を仕込むという提案をいただきました。これがとても良いアイデアで、夜のリラックスタイムにぴったりなんです。『やってよかったね』と、夫婦でよく話しています。」

対話と工夫の積み重ねで、理想に近づいていきました

Y様は、家づくり中のコミュニケーションが印象的だったと振り返ります。設計担当者や現場の職人たちとのやりとりを通じて、ひとつひとつ丁寧に形にしていくプロセスに、安心感と信頼を感じていただけたようです。

「テラジマアーキテクツの皆さんは、決して何かを押しつけることなく、私たちの話を丁寧に聞いてくださいました。コミュニケーションの取り方が本当に上手で、こちらの希望を自然と引き出してくれるんです。
私がやりたいことをお伝えすると、『それなら、こういう方法があります』と提案してくださったり、デメリットについてもきちんと説明してくださったり。いつも真剣に向き合ってくれているのが伝わってきました。
例えば、視線の抜けを良くするために柱を減らしたいとお願いしたときには、『構造的に完全になくすことはできませんが、移動するという方法はどうでしょう。ここなら視線の抜けを邪魔しないと思います。』と代案を出してくださって。否定から入らず、常に寄り添って考えてくださる姿勢が、とてもありがたかったです。
職人さんたちも魅力的な方ばかりで、現場へ通うのが毎回楽しみでした。棟梁の中里さんや塗装職人の石田さんとはたくさん話をさせていただいて、家づくりの工程に立ち会っている実感がありました。夢が少しずつ形になっていく過程を、間近で見られたことは本当に嬉しかったです。」

大開口からたっぷりと光が入るため、壁紙はあえてトーンを抑えたグレージュを選びました。
どの場所について尋ねてもエピソードが返ってくるほど、ひとつひとつにこだわりを持って選ばれています。

インスピレーションをかたちにした、自分たちらしい家づくり

細部に至るまで「自分たちらしさ」を反映されたY様邸。素材や色の選定も、明確なイメージとストーリーが込められています。

「この家は、私のこだわりや、ずっとやってみたかったことを詰め込んだ住まいです。
キッチンの面材に選んだ紺色は、家紋の桔梗から着想を得ました。青だとコントラストが強すぎて空間から浮いてしまうので、何度も色を作り直して、深みがあり空間に馴染む理想の色に仕上げてもらいました。
壁紙はなかなか決めきれず迷いましたが、好きな海外のファッショニスタの住まいをInstagramで見かけて、『これだ!』と感じたんです。それをヒントに、テクスチャーやメーカーも色々とありますから、たくさんのサンプルを取り寄せ、竹沢さんや林さんと何度も相談を重ねながら選びました。
寝室は、ある映画のワンシーンがずっと印象に残っていて。光の入り方がとても綺麗で、それを再現したくて、一面をガラス張りにしていただきました。朝になると自動でカーテンが開いて、差し込む光で目が覚める時間は、とても清々しくて豊かな気持ちになります。
唯一の後悔があるとすれば、寝室の床をヘリンボーンにしなかったことです。本当はティンバークルーさんにお願いして張ってもらう予定だったのですが、予算の都合で断念しました。たくさんの理想を叶えられたからこそ、あの部分だけは『やっぱりやっておけばよかったな』と今でも少し思ってしまいます。」

キッチンからの眺め。
ダイナミックな吹き抜け空間と、大きな窓越しに広がる緑と空の景色が楽しめます。柱のない大空間は、SE構法ならではの魅力です。

住まうほどに深まる愛着
毎日が特別になる空間

完成したお住まいでの暮らしは、ご夫妻の期待をはるかに上回るものでした。空間の抜けや自然とのつながり、そして緻密に計画された照明。そのすべてが、日々の「心地よさ」につながっています。

「キッチンに立って全体を見渡したとき、視界がスッと抜けて、余計なものがなくすっきりと整っている感じが本当に気持ちいいんです。庭との一体感も素晴らしくて。夜はリビングの間接照明とテーブルライトだけで過ごすことが多いのですが、庭の照明がぽつりぽつりと灯っている様子が、またすごく綺麗なんです。何とも言えない、家というよりは特別な空間にいるような、そんな贅沢な気持ちになります。
掃除や庭の手入れなど、正直大変だなと感じることももちろんありますが、それも含めて嬉しいというか、手をかけるほどに家への愛着がどんどん深まっていくのを実感しています。
以前の家では、人を呼べるような広さがありませんでした。でも今は、子どもの友達や来客を気軽に招けるようになって、それが何より嬉しいです。この家があることで、人とのつながりや時間の豊かさが大きく変わった気がします。満足度で言えば…1500%くらいですね(笑)」

家づくりは、遠慮せずに思いを伝えることから

インタビューの最後に、これから家づくりを始める方へのメッセージを伺いました。

「理想の住まいを実現するためには、自分の考えていることを包み隠さず、率直に伝えることが何より大切だと思います。
『こんなことを言ったら笑われるかもしれない』と感じるようなことでも、まずは伝えてみる。私たち施主は建築の素人ですから、突拍子もないことを言ってしまうこともあります。でも、それをどう実現するかを考えるのはプロの仕事ですし、そこから思いもよらない新しい提案が生まれることもあります。
遠慮していたら、自分たちらしい家にはなりません。だからこそ、最初の一歩は『自分の本音を伝えること』。それが、後悔のない家づくりの出発点になると思います。」

特にお気に入りの場所を
教えてください

バスルーム
計画当初から決めていたというジャクソンの浴槽はもちろんですが、実は水栓の位置にもこだわりがあります。
お風呂に浸かって庭を眺めるとき、温泉のように水が流れる様子が見えると、より一層癒される——そんな発想から、最適な配置を丁寧に検討されたそうです。

キッチン
アイランドカウンターは、天板に採用したデクトンの最大サイズである3,200mm。存在感のある一枚板が、空間に美しい重厚感をもたらしています。
コンロまわりは、ニューヨークのオープンキッチンをイメージし、ステンレス素材でシャープに仕上げました。機能性とデザイン性を兼ね備えた、プロ仕様のような空間に仕上がっています。

主寝室
「寝るのが一番の楽しみなんです」と語るご主人にとって、寝室は特別なこだわりの空間。書斎と合わせて約16帖の広さがあり、一面を大胆にガラス張りにすることで、四季折々の桜を望める開放的なつくりになっています。
もう一方の壁は、キッチンと同じ深い紺色で仕上げ、空間に統一感と落ち着きを演出。昼と夜とで異なる表情を見せてくれる、静かで贅沢な時間が流れる場所です。

和室
ご主人の趣味である甲冑を飾る和室は、床や壁の素材から仕上げに至るまで、細部にこだわって丁寧につくられた空間です。
雑誌『カーサブルータス』で目にしたデザインをヒントに、床の間のタイルには真鍮の目地をあしらい、上質なアクセントを加えました。静けさの中に凛とした存在感が漂う、趣味と美意識が調和する一室です。

担当スタッフ紹介

コンサルタント:深田 直

コンサルタント:深田 直

設計:竹沢 孝浩

設計:竹沢 孝浩

設計:林 優介

設計:林 優介

設計担当 竹沢・林より

(竹沢)
大きな桜の木、古い梅、広いお庭、それらと対比するように建てられた邸宅です。
家の細部にわたりお客様のご要望がしっかり詰まった住宅で設計者として学ばせて頂いた部分も多かったです。外出したくなくなる。まさにそんな家ができあがりました。ありがとうございました。

(林)
「こう過ごしたい、そのためにはこうすればこうなる」という具体的な暮らしのイメージを共有できていた感覚があります。
某デザイナーや某映画に関連し、設計的にも色々な挑戦をさせていただきました。
また様々な分野において深い造詣を持ち、個人的にも感覚が近いと感じることが多く、打合せ時間よりも雑談の方が長くなってしまった日もありましたね。
どの部分を切り取っても濃厚なエピソードがあり、Y様の思いや拘りが沢山詰まった家づくりだったと思います。
またお話できる日を楽しみにしております。

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