「光と風」都市の家づくりなら TERAJIMA ARCHITECTS

桜を取り込む家

計画地は旗竿地に近い形状で、通りから少し奥まった位置にある敷地。周囲にあるのは親類の住宅であるため、通常と比べると外からの視線が気になりづらく、充分な広さもある好条件の土地です。
元々その土地にあった美しい桜や梅などの樹木を眺めて楽しめる住まいにしたいというご要望から、庭に対してダイナミックに開くL字型のプランとしました。

最も大きな特徴は、耐震構法SE構法の強みを生かした吹き抜けの大空間LDK。
空間構成は大らかでありながら、季節ごとの鮮やかな景色と調和する素材選び、塗装や目地、タイルの加工などの仕上げには細やかに心を配り、丁寧にデザインしています。

竣工
2023年3月
場所
神奈川県横浜市
敷地面積
633.54㎡(191.65 坪)
延床面積
267.96㎡(81.06 坪)
基本性能
木造(耐震構法SE構法)・外張り断熱・2階建て

吹き抜けのある大空間リビング・ダイニング

約22帖のリビング・ダイニング。耐震構法SE構法ならではの柱のない吹き抜け大空間は圧巻です。
日当たりが良いため、壁紙には白色ではなくグレージュ色を採用し、反射を抑えて柔らかい雰囲気を演出しました。

壁・窓面の間接照明は、構造上必要となる梁の懐を利用して設置。窓側については照明のほか、バーチカルブラインドもすっきり納まるように設計しています。
窓から空を見上げると見える軒には木調の軒天ボードを貼り、景色との調和を図っています。

■撮影時展示家具:Arflex(アルフレックス)

仕上げにこだわったネイビーのキッチン

アイランドキッチンには、3メートルの長さのセラミック一枚板をそのまま使用。キッチンとバックセットの面材には紺色の塗装を施しました。
丁寧な仕上げには、色調や艶の加減などオーナー様のこだわりが活きています。

キッチンの足元に間接照明を仕込んであり、夜には華やかな雰囲気を愉しめます。

キッチンの両側にはパントリーを計画。照明や床暖房のスイッチ、インターホンなどはパントリー内に設置し、表から見えないように配慮しました。

■Kitchen:Living Product(リビングプロダクト)

ささらを内側に寄せた階段

木製のストレート階段。段板を支えるササラは一般的に段板の外側についていますが、この階段では内側に寄せ、個性を出しました。広々とした空間のアクセントになるようデザインしています。

大開口の玄関ホール

扉を開けると広がる2つの大きな窓。ピクチャ―ウインドウから桜を望む、抜けがよく気持ちの良い玄関ホールです。
燦燦と光が入るため、壁には彩度の低いベージュを使い、眩しくならず落ち着いた雰囲気を出すようにしました。
入って右手にシューズインクローゼットへの引き戸があり、靴のまま入ることができます。
壁にはピクチャーレールを設置しています。

庭に面した明るい和室

落ち着いた空間を作るため、壁の色は少し暗めのグレーに設定。天井には木調のクロスを使用し、小さく分割したものを互い違いの向きになるように配置することでより印象的に見せています。
甲冑を飾る予定の床の間にはタイルを、通常モルタルを使う目地の部分には真鍮を採用。さりげなく高級感を演出しています。

約4帖のゆとりある浴室

桜を望むバスルームは、実はこの邸宅の隠れた主役。一般的には外からの視線を遮るために少し下げた位置に作ることが多い浴室ですが、隣家はご親族の邸宅ということもあり、開放的なプランニングとなっています。
ゆったりと足を伸ばせる円形バスタブのほか、水栓金物の選定やタイルの留め加工など、細部までこだわりを詰め込んで計画しました。

バスルームの隣には洗面、トイレがあり、更に奥には家事室があります。
生活動線にも配慮し、心地よさと使い勝手を両立したプランも魅力です。

■Bathtub:Jaxson(ジャクソン)

趣味を愉しむロフトスペース

二階廊下の一角は、ご趣味の音楽を愉しめるスペースに。壁際に造作のレコードボックスを設置し、手摺側にはレコードプレイヤーを置くテーブルが設置できるよう、広々と計画しました。この場所からも高窓越しに桜の木を望めます。

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