「光と風」都市の家づくりなら TERAJIMA ARCHITECTS

緑を楽しむ家

都心の落ち着いた住宅街に建つ、ご夫婦が暮らす邸宅。
お二人ともお仕事が忙しいことから、週末をより豊かに過ごすため、都心にいながら自然を感じられる環境を作りたい、というご要望をいただきました。近隣には文教施設や公園があり緑が多いものの、借景が出来るほど近接はしていません。外から建物内へ移動する際、緑の落差が少ないように、建物へどの程度自然を持ち込めるかを念頭に置いて設計しています。

最も過ごす時間が長いリビングダイニングをL字型のバルコニーで囲み、さらに中庭を設けることで採光通風のしやすい空間をデザインしました。ルーバーで囲んだバルコニーにはプランターを並べ、外部からの視線を遮る「グリーンパーテーション」を作り、ブラインドやカーテンがなくても安心してお過ごしいただけるよう配慮。リビングから眺める緑が、季節折々の美しさで目を楽しませてくれます。
また、在宅勤務に対応するワークスペースや寝室も、シンボルツリーのシマトネリコが揺れる中庭をのぞめるよう設定。一日中、心豊かに過ごせる心地よい住まいに仕上がっています。


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竣工
2020年7月
場所
東京都渋谷区
敷地面積
153.62㎡(46.47 坪)
延床面積
144.71㎡(43.77 坪)
基本性能
木造(耐震構法SE構法)・外張り断熱・2階建て

ルーバーが目を引く外観デザイン

二階のバルコニーを囲むように設置された木のルーバーが目を引く外観デザインです。邸宅の正面にある学校からの視線を遮るため、ルーバーのピッチは実際に現場を確認しながら細かく設定しています。
シンプルなデザインですが木のボリュームを多めにとっているため、温かみのある雰囲気の外観に仕上がっています。

緑のカーテンに囲まれたリビングダイニング

南・西面がL字型のバルコニーに面したリビングダイニング。さらに中庭を囲んでいるため、3面採光となっています。バルコニーの植栽がカーテン代わりとなり、外部からの視線を遮ると同時に、室内からいつでも瑞々しい緑を楽しむことができます。
シンプルモダンのデザインに豊かな緑が映える、美しい空間です。

ルーバーに囲まれた緑豊かなバルコニー

リビングダイニングを囲むL字型のバルコニー。木のルーバーとグリーンが、室内空間に生き生きとした美しい景色をもたらしています。
プランターにシラカシ、ソヨゴ、アベリアホープレイズ、ヘリクリサム・ペティオラレ等を植え、2~3年後には成長しグリーンパーテーションを完成させることを想定しています。水遣りの簡便化のため、自動散水システムを導入し、手入れの負担を軽減しました。
グリーンパーテーションの背景となる天然木材ルーバーは、採光と通風、視線を遮るため、部材サイズとスパンを慎重に検討を重ねて制作しました。

シンボルツリーをのぞむ階段ホール

すっと伸びるシマトネリコを中央に植えた中庭は敷地の中央にあり、各居室に面しています。
こちらは階段ホールから眺めた様子。隣地との境にちょうど隣家の屋根が隠れる高さの壁をたてることで、プライバシーを気にせず開放できるようにすると同時に、壁が明るさを確保しつつも緑の映える白い背景となり、室内環境の快適さを高めています。

青空と緑をのぞむワークスペース

中庭に面した二階のワークスペースは、在宅勤務の機会が多いご主人の書斎として設計しました。造作のデスクは、窓に差し込む形とすることでできる限り天板の奥行きを確保し、作業性の高いデザインとなっています。いつか中庭のシマトネリコが伸び、目の前に緑が広がることを想定して大きな開口を作りました。

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