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2023.6.5

【コラム】耐震性能について詳しく解説!工法の選び方について。

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首都直下地震や南海トラフ地震などの大きな地震が近い将来発生する、と言われて久しい昨今。
家を建てる際には誰もが気になる「耐震性能」について、お話ししたいと思います。

「耐震性」が高い家を建てたいと考えた時、思い浮かぶのは

・鉄骨造・鉄筋コンクリート造で建築する
・木造の場合、大手ハウスメーカーが提供する評判の良い工法を選択する

といったように、「工法」を選ぶという方法だと思います。
さて、どの会社のどの工法がどれだけ耐震面で優れているか、正しく説明できるでしょうか。
非常に難しいと思います。

そこで、耐震性に優れた住まいを建てている会社を見分けるにあたり、目安となるポイントを2点ご紹介します。

耐震等級3を取得

耐震等級は最も低い1~最も高い3まで、3つの等級に分類されます。
等級2は「長期優良住宅」の認定を取得する際の条件となっており、災害時の避難場所とされる建物と同等の強さを持っているものとされます。最高ランクの等級3の建物は、災害時の救護・復興活動の拠点となる建物と同等の強さを持ちます。

等級認定を受けている、と聞くと安心感がありますが、震度7の地震が発生した熊本では、耐震等級2の認定を受けた木造戸建て住宅が倒壊した事例がありました。これから家を建てる方には、耐震等級3を取得されることをおすすめしています。

「許容応力度計算」による構造計算を行う

さて、耐震等級の認定にあたり、耐力を計算する必要がありますが、その計算方法は3つあります。

・壁量計算
・型式適合認定
・許容応力度計算

それぞれについて解説します。

■壁量計算:在来工法等の木造住宅で採用する構造計算手法

壁量計算とは、木造住宅の構造計算に使用される手法で、その名前の通り、壁の量を基準に耐力を計算します。
後にご紹介する許容応力度計算と比較すると、ねじれ、変形後の戻り、基礎の計算は行わず、建物の自重や風への耐力については想定された一定の基準を基に計算するというシンプルな内容です。

しかし、そもそも木造住宅では構造計算を行うことが義務とされていません。一棟一棟構造計算を行うことは、ある程度の手間がかかります。そうした住宅が耐震等級を取得するために行っているのが、次に紹介する型式適合認定です。

■型式適合認定:ハウスメーカーで広く採用

型式適合認定は、大臣認定の技術で、一定の制限のなかで設計することを条件に、確認申請時の手続きを省くことができるというものです。一棟一棟構造計算を行う手間やコストを削減する方法として、住宅を大量供給する大手ハウスメーカーで広く採用されています。

■許容応力度計算:大規模建築物で行われる構造計算手法

許容応力度計算は、人が多く集まる大規模建築物を建築する際に使われる構造計算の手法です。専用の構造計算ソフトを使用している構造設計事務所でしか使用することができません。
自重や常荷重等の鉛直荷重、風・地震、ねじれや変形後の戻り等を計算するほか、壁量計算や型式適合認定では計算しない基礎についても、地盤耐力を加味して計算を行います。計算資料としては壁量計算でA4用紙2枚分のところ、許容応力度計算で行うとA4用紙250枚ほどになり、非常に膨大で複雑な情報を必要とします。

・・・
上記3つの計算方法のうち信頼性が最も高いのは、許容応力度計算です。
さらに、同じ耐震等級を取得していても、計算方法によって実際の耐力に差が出たという実験の結果も報告されています。

熊本地震を想定し、同じ建物で壁量計算・許容応力度計算それぞれで計算した耐震等級1、2、3の建物を実際に揺らしてみたところ、図のような順番に倒壊し、最終的には許容応力度計算の耐震等級3が残りました。許容応力度計算の耐震等級1は、壁量計算によって認定された耐震等級2に勝るという結果でした。

耐震性を重視する方は、その会社が構造計算を行っているか、構造計算の手法は上のいずれであるかをご確認ください。

テラジマアーキテクツでは、全棟「許容応力度計算」による構造計算を行った上で、耐震等級3を標準仕様としています。

 

さて、同じ耐震等級3を取得しているとして、工法による違いはあるのでしょうか。
ここではテラジマアーキテクツが採用している「耐震構法SE構法」と「軸組み工法」を例に挙げ、比較します。

図を見ると、軸組み工法では耐震等級3を取得するためには柱・耐力壁が多く必要となり、窮屈な間取りとなっています。
対して、耐震構法SE構法を始めとする金物工法は、建物の骨格そのものが非常に強固であるため、軸組み工法や壁工法と比較して耐力壁や柱が少なくて済むという特徴があります。
このメリットは、空間的な広がりだけではなく、「スケルトン・インフィル」を実現できるという点にもあります。

強固なスケルトン(骨格)があればこそ、柔軟なインフィル(間取り)が叶います。
将来間取りの変更が必要になったとき、多くの壁や柱がなくても建物を支えられる強さがあれば、間取りが自由に変更できます。これは、将来に渡って建物の資産価値を維持向上することに繋がります。
なお、型式認定工法についてはメーカーごとに構造の詳細を定めているため、他社によるリフォームやリノベーションがしづらいというデメリットがあります。

テラジマアーキテクツでは、現在「耐震構法SE構法」「ストローグ工法」の二種の金物工法を採用しています。
いずれも許容応力度計算による構造計算を行い、耐震等級3を取得していると同時に、自由度の高い空間を作れるという特徴があります。
ご計画の建物の内容により、上記いずれかのうちより適した工法をご提案しています。

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