「光と風」都市の家づくりなら TERAJIMA ARCHITECTS

「余白」のあるシンプルモダンの家

計画地はゆとりある広さの整形地。その敷地いっぱいに縦9m×横9m×高さ9mの、立方体のような形をした美しい建物を描きました。

1 階に2400mm、2 階には3500mm の天井高を確保した建物内部には、おおらかな空間が広がります。
アプローチとなる前庭や、その上空に設けたスノコバルコニーが緩衝領域となり、建物内外を心地よく緩やかに繋ぐよう計画しています。
同時に、隣地と接する面には高窓を設定するなど、密集した住宅地でも外からの干渉を避け、安心して快適にお過ごしいただけるよう工夫しています。
また、ユーティリティルームや和室など「余白」空間をいくつも設定していることもこの邸宅の特徴のひとつです。様々な場面でフレキシブルに活用できる空間は、暮らしに余裕をもたらします。

インテリアは白を基調とした、明るいシンプルモダンスタイル。
採り入れた自然光を反射・拡散する光沢のある素材を使って、より明るく見せるとともに、華やかな印象に仕上げました。

竣工
2020年4月
場所
神奈川県
敷地面積
135.07㎡(40.86 坪)
延床面積
151.11㎡(45.71 坪)
基本性能
木造(耐震構法SE構法)・外張り断熱・2階建て

箱型のシンプルな外観デザイン

白い箱型のシンプルな外観デザイン。間口が広く高さがあるため、ボリュームを感じさせます。
せり出した屋根の下には駐車スペースがあり、その右手からアプローチに入り、建物へと進みます。
道路側から見える位置に大きな窓はなく、プライバシーが保たれています。

3.5mの高天井のリビングダイニング

この邸宅の中心である二階のLDKは、3.5mの高天井と白を基調としたインテリアが一層の広がりを感じさせてくれる大空間。ベージュをはらんだ柔らかいグレーを締め色に、シックにまとめました。
大理石調の大判タイルを、それぞれ光沢・マットと仕上げを変えて床やキッチンに使用することで、統一感があり華やかな雰囲気に仕上がっています。

バルコニーの高い壁は隣家からの干渉を避けるのに役立ちます。そして、通りに面した側には高窓やスリット窓を設置して、視線を遮りながら抜け感と採光を得るための工夫をしています。

リビング窓際の三つ並んだペンダントライトは、シンプルな空間のアクセントに。惑星のようなフォルムがちょうどスリット窓越しに外から望める位置に設定。楽しい仕掛けとなっています。

■furniture
・Dining Table:BoConcept(ボーコンセプト)
・Chair:kartell(カルテル)
・Sofa:FLANNEL SOFA(フランネルソファ)

家族で使えるコンパクトな動線のキッチン

パントリーを併設したキッチン。アイランドキッチンは、複数人での作業がスムーズにできるようにとの奥さまの希望により採用。背面収納は大容量かつ作業動線に沿った構成で、パントリーとの連続性も考慮された計画により使い勝手良く仕上がっています。
冷蔵庫はパントリーに、その他調理家電等は背面収納におさめ、生活感を出さないよう工夫しました。
リビング側にはワインセラーを設置するスペースをあらかじめ計画。ご夫婦の寛ぎのお供に活躍します。

■Kitchen:Living Product(リビングプロダクト)

優しいグレーのスケルトン階段

手摺とささらを明るいグレーに塗装し、柔らかな雰囲気を出したスケルトン階段。存在感を出しすぎない、家具のように空間に馴染む配色としました。
和室に通じるスリット窓は、客間として使用している時にはリビングダイニングに人の気配をそれとなく伝えます。

リビング横のユーティリティスペース

人が集まるリビングダイニングの隣に、人の目に触れず過ごせる場所として使うことを想定して計画した空間。例えば、小さなお子様連れの来客が授乳や着替えをさせる時に使ったり、大人がダイニングでお茶を楽しんでいる間、子どもの遊び場所としておもちゃを広げたり、一時的な荷物置き場にしたり、などの様々な活用が可能です。

日常にはピアノやトランポリンなど、お子さまのための場所として活用されています。

採光とプライバシー確保のためのすのこバルコニー

外に出て過ごすのではなく、リビングダイニングへの採光とプライバシー確保のために高い壁を立てることを前提として計画されたバルコニー。床をすのこにすることで、建築床面積に含まれず、建物をより広々と計画できるようにしています。奥行きがあり、窓から壁までの距離があるため、室内の開放感が損なわれず、カーテン不要の暮らしが叶います。

いぐさが香る離れのような和室

LDKと同じフロアに作った和室は、リビングダイニングのデザインとの調和を考慮し、また客間として安心して過ごしてもらえる場所になるようにとの配慮から、隔離された個室として計画しました。唯一、右手の壁上部にはスリット窓があり、階段とつながっています。
いぐさの香りとほどよい明るさが寛ぎを誘う、心地よい場所です。

コンパクトに集約された家事室

1階には浴室と洗面室、家事室を集約してひとつの空間に。動線をコンパクトに描くことで、使い勝手よく仕上げています。
スロップシンクを設ける代わりに洗面台はツーボウルとし、一つはつけおき洗いなどの家事に活用されているそうです。

華やかなタイルの玄関

リビングと同じ大理石調の大判タイルを使用した玄関ホール。光沢のある仕上げが光を拡散し、明るく感じさせてくれます。

奥行きのあるアプローチ

バルコニーの下にある、前庭兼アプローチ。すのこバルコニーが強い日差しや弱い雨を遮ります。雨の日の出入りが快適なのはもちろんのこと、お子さまの遊び場としても、天候に関わらず活用できます。

loading